喉の症状でおなじみ「トローチ」 市販薬と処方薬は成分が違う?
喉の違和感や痛みが出たとき、手っ取り早い対処として「トローチ」を舐める方も多いと思います。
このトローチには、病院の処方で使用する処方薬と、ドラッグストアなどに売っている市販薬がありますが、違いはあるのでしょうか?
トローチは、口の中で徐々に溶かすことで、有効成分による口や喉の殺菌、消炎を目的とした薬です。
他の薬と比べてトローチ剤が固いのは、舐めながら徐々に溶けるようにするためです。
一般的な錠剤はすぐに吸収されて効果を発揮するために「崩壊剤」を含み、早く溶けるように設計されています。
効果的に使用するためには、噛み砕いたり飲み込んだりせず、できるだけ長くゆっくり舐めるようにしましょう。
舐めた後は、30分くらいは食事をしたり、お茶を飲んだりしない方が効果的です。
ちなみに、トローチの真ん中に空いている穴は事故防止のため。舐めている間に誤って飲み込んでしまっても、息が詰まらないように工夫されています。
トローチの用途はうがい薬に似ていますが、使用場所を選ばず、症状が気になる時にすぐ使用できるのが特徴。
主な用途が異なるので、症状に合わせてしっかり選ばなければなりません!
●口の中や喉の殺菌・消毒
●口内炎による痛みの緩和
●喉の痛みや不快感の緩和
市販薬の場合は、これらの用途に合ったものを選べるのが特徴です。
処方薬の場合は、医師の診断が必要になるため、医師が必要と判断した場合に処方されます。
それぞれの違いを、詳しく見てみましょう。
市販薬のトローチの特徴
味にも工夫 トローチ剤は味にも工夫が施されています。
苦みがあれば、当然なめて溶かし続けるのにもひと苦労ですよね?
トローチ剤には、口の中でゆっくり溶かしやすいように甘い味がつけられています。
甘みやフルーツの香り、スーッとする成分としてメントールを含んでいるものなどがあります。
市販薬のトローチには、複数の成分が入っている商品が多く、成分の組み合わせにより自分の症状に合ったものを以下のように選べます。
殺菌消毒成分:セチルピリジニウム
抗炎症成分:アズレンやグリチルリチン
咳止め成分:デキストロメトルファン
ただし症状に合っていないものを選んでしまった場合、
効果を得られないだけでなく副作用にも注意しなければいけません。
多くの商品の中から、自分の症状に合ったものを選べるのが市販薬の良いところであり、また逆に難しいところ。
選び方のポイントとして大切なのは「必要な成分だけにしぼること」。
迷った時は、医薬品登録販売者や薬剤師に相談するようにしてください。
市販ののど飴には効果が無い?
医薬品、医薬部外品以外ののど飴は実はお菓子の飴と同じです。
残念ながら効果や効能は認められていません。意外ですよね。
しかし、のど飴を舐めると唾液が分泌され、喉を潤すという効果はあります。
『トローチ』と、『のど飴』の使い分けは?
医薬品とそうでないのど飴はどのようなシーンで使い分ければいいのでしょうか。
具体例にそって、おすすめをご紹介します。
・喉の乾燥を少し感じる場合 → 食品の「のど飴」
・喉が少し痛い場合 → 医薬部外品ののど飴、トローチ
・喉が痛いがカロリーが気になる、またはカロリー制限がある場合 → トローチ、あるいはノンシュガーののど飴
・咳を抑えたい(内服薬なし) → 医薬品のトローチ、のど飴
・眠くなるのを抑えたい場合 → 咳止めの入っていないもの
食品としてののど飴のメリットは、
食品なので多用できる、逆にデメリットはカロリー過多になるということでしょう。
医薬品、医薬部外品のど飴のメリットは効果が食品よりあること、デメリットは用法、用量を守らなければ吐き気など副作用が起きる可能性があるということです。
まとめ
これからの季節口にすることが多くなるのど飴やトローチですが、喉は風邪の入口ともいわれている場所、乾燥を感じたら効果と副作用も確認しつつ使用しましょう。