健康サプリや健康グッズの良し悪し

健康サプリや健康グッズの良し悪し

健康サプリや健康グッズの良し悪し

高齢化が進み、また生活習慣病が懸念される現在、健康食品やサプリメント、健康グッズなどを使用している方は多いでしょう。ドラッグストアやテレビ通販、ネット通販などあらゆるところで販売されていますが、これらを頼りすぎ過剰摂取してしまうとデメリットが起こることをご存知ですか。

ここでは健康食品や健康サプリ、健康グッズの正しい使用方法や注意点についてご説明します。

いわゆる健康食品と保健機能食品について

健康食品や健康補助食品、栄養補助食品、サプリメントといった名前を耳にすることはよくあると思いますが、これらの違いや定義についてご存知でしょうか。実はこれらの用語について厳密に定義している法律はありません。ですが健康を気にかけ、健康によさそうな食品やサプリメントを取っている方は多いのではないでしょうか。その食品やサプリメントは確かな効果があるのでしょうか。

ここでは薬、健康食品、通常食品の違いやその種類や効果をご説明します。

まず「食品」についてご説明します。食品衛生法第4条では、口に入るものについて「医薬品(医薬部外品を含む)」と「食品(医薬品以外の人の口に入るもの全て)」の2つに分けています。そして「食品(医薬品以外の人の口に入るもの全て)」については「保健機能食品」と「いわゆる「健康食品」・通常食品」に分かれます。「保健機能食品」は保健機能食品制度に基づき、「お腹の調子を整えます」や「脂肪の吸収をおだやかにします」といった特定の目的が期待できる食品についてはその機能を表示することが義務付けられた食品で、「機能性表示食品」と「栄養機能食品」と「特定保健用食品(トクホ)」の3つに分かれます。

一方「いわゆる「健康食品」・一般食品」は栄養補助食品やサプリメントなどいろいろな呼び名で販売されカプセルや錠剤の形をしていますが、一般食品であり機能性が表示できない食品で、「いわゆる「健康食品」」と呼ばれています。機能性が表示できるのは「保健機能食品」の特権といえます。よって「保健機能食品」は「高血圧の予防に」「老化防止」といった表示の予防や改善の効果が期待でき信頼できますが、それ以外の「いわゆる「健康食品」・通常食品」では予防や治療の効果の表示がそもそも禁止されています。購入の際にはこの点に注意して選ぶようにしてください。

健康サプリや健康グッズ使用時の注意点について

「普段の食生活が偏りがちで」「健康や美容にいいから」とサプリメントを取り入れて方は多いかと思いますが、サプリメントの取りすぎは体に副作用を及ぼすおそれがあります。

たとえばビタミン剤には水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンがあります。水溶性ビタミンは水に溶けるもので、ビタミンB1・B2・B6・B12・ビタミンC・ニコチン酸・パントテン酸があります。また脂溶性ビタミンは油に溶けるもので、ビタミンA・D・E・Kがあります。

水溶性ビタミンは水に溶けるため、過剰に取りすぎてしまっても尿と一緒に排泄され副作用はあまりありません。これに対して脂溶性ビタミンは吸収されやすく尿に排泄されないので、過剰に取りすぎてしまうと副作用が起こることがあります。過剰なビタミンAは食欲不振、嘔吐、脱毛、発疹などを引き起こし、ビタミンDを取りすぎた場合は食欲不振、口渇、頭痛のほか血液中のカルシウムの濃度が高くなることで腎臓や血管にカルシウムが沈着します。ビタミンKの過剰摂取も下痢や嘔吐が起こることがあります。このようによかれと思ってたくさん飲んだビタミン剤が脂溶性ビタミンだった場合、逆に体調を崩してしまうことがあるのです。

これらのビタミンはサプリメントに頼らずとも食品に含まれているものが多いです。たとえばレバーにはビタミンA・B2・B1が含まれていて、魚類にはビタミンB6・B12・Dが、ブロッコリーにはビタミンC・K、豚肉にはビタミンB1が含まれています。よってサプリメントの正しい利用方法としては、食事での栄養摂取を基本にし、食事では足りない栄養分をサプリメントで補うというのが望ましい姿勢です。まずはご自身の食生活を見直し、摂れている栄養素と摂れていない栄養素を確認してください。そしてそれを補う形で必要な栄養が含有されているサプリメントを選びましょう。

またサプリメントのパッケージに記載されている注意事項にもよく目を通し、1日の摂取量を守って飲みましょう。薬もサプリメントも1日に何種類までしか飲んではいけない、という決まりは基本的にありませんが、やみくもに飲むことや過剰摂取にならないよう注意が必要です。また昨今では「着るだけで痩せるボディースーツ」「巻くだけで簡単小顔ベルト」などといったさまざまな種類の健康グッズも人気ですが、これにも注意が必要です。中には悪質な業者があり、過激な煽り文句で健康グッズを販売し消費者センターへ苦情が寄せられることは多く、消費者庁から再発防止の措置命令が出ることもあります。

では悪質な業者を見抜くにはどのような対策をしたらよいのでしょうか。残念ながらその健康グッズが本当に効果があるかどうかを一般の消費者が判別し見抜くことは非常に難しいです。ただ「これだけで」簡単に痩せられた、「これだけで」健康が改善された、といった誇張表現のものについては慎重に購入を考えたほうがよいでしょう。

有酸素運動のすすめ

サプリメントやグッズでの健康法を取り入れる前に、食事の改善とともに実践していただきたいおすすめの運動があります。有酸素運動です。

有酸素運動とは酸素を使って脂肪を燃焼させる運動で、ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳、エアロビクスなど長時間継続して行う運動です。有酸素に対し無酸素運動がありますが、無酸素運動は酸素ではなく糖をエネルギー源とし短距離走や筋力トレーニングなどの短時間かつ運動強度の高い運動です。

ではなぜ有酸素運動がおすすめなのでしょうか。有酸素運動には健康維持や向上につながるさまざまな効果が期待できるからです。

脂肪を燃焼する

有酸素運動は脂肪エネルギー源としているので、有酸素運動をすることでダイエットにつながります。

心肺機能が向上する

有酸素運動は長時間行うので心肺機能が向上します。疲れにくく息の上がりにくい体になり、スタミナがつきます。

基礎代謝が上がる

基礎代謝は加齢とともに低下しますが、有酸素運動をすることで汗をかき筋肉が刺激されるので、新陳代謝がアップします。

血圧の安定につながる

有酸素運動をすると体内では血圧を下げるホルモンが働くため、特に高血圧の方には有酸素運動がおすすめです。

 

このように有酸素運動はダイエットや健康維持・向上につながります。
健康のためにサプリメントやグッズに頼りすぎるのではなく、まず食事を見直して有酸素運動を取り入れてください。
そのうえで健康を補う形でサプリメントやグッズを使用するようにしましょう。

食生活の見直しや有酸素運動の方法、サプリメントの選び方・使用方法には難しい面がありますので、
ご自身でわからないことやお困り事がありましたらお気軽にご相談ください。
薬や健康に詳しい調剤薬局キューピー・ファーマシーの薬剤師が丁寧にご相談に応じています。