睡眠の取り方で健康が変わる?

睡眠の取り方で健康が変わる?

睡眠の取り方で健康が変わる?

たくさん寝ているはずなのに目覚めが悪い、日中眠くてボーっとしてしまい仕事に集中できないといった経験はありませんか。
それは間違った睡眠の方法による質の悪い睡眠を取っているのかもしれません。睡眠には十分な「量」の時間もさることながら、「質」も大切です。睡眠の質が上がることで「ぐっすり眠れた」という満足感が得られます。また睡眠が不足すると高血圧や糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病にもなりやすいといわれ、睡眠は私たちの健康にとても大きな影響を及ぼしています。

ここでは睡眠のメカニズムや質のよい睡眠方法について、さらに睡眠障害についてご説明します。

平均的な睡眠時間

平成23年の総務省のデータによると、日本人の平均睡眠時間は男性が7時間49分、女性が7時間36分です。しかしこれは年齢や季節によっても変わります。

一般的に加齢とともに睡眠時間は短くなり、目覚めの時間が早まる傾向にあります。60歳を超えると20代や30代の頃と比べ睡眠時間が30分~1時間程短くなることが一般的です。また春夏秋冬の季節で見ると、春から夏にかけて睡眠時間が短くなり、秋から冬にかけて長くなる傾向があります。これは人間が持つ体内時計が日の出や日の入りの変化に合わせて睡眠の長さを切り替えていることが考えられます。冬は夏に比べ30分ほど睡眠時間が長くなります。

また50代になると男性は朝型化し、逆に女性は夜型化する傾向にあります。これは女性ホルモンの影響が考えられますが、まだはっきりした研究結果は出ていません。

睡眠中に間に体内で起こっていること

人は睡眠中に眠りの深い「ノンレム睡眠」と眠りの浅い「レム睡眠」を4~5回繰り返していて、最も深い眠りを得られるのが最初の1~2回です。つまり眠りに入っておよそ3時間の間に眠りの深いノンレム睡眠に到達できると、脳と体を休ませることができ朝起きたとき「ぐっすり眠れた」という満足感を得ることができるのです。

さらに寝入ってから2~3時間後に体内では成長ホルモンが分泌されています。成長ホルモンは10代後半までの成長期だけでなく、それ以降も分泌されていて細胞の修復や疲労回復につながります。美肌に欠かせないターンオーバーはこの成長ホルモンによるもので「若返りホルモン」と呼ぶ専門家もいるほどです。睡眠不足かなと感じた朝、お肌の状態がよくないことがあるかと思いますが、このためです。疲労回復のほかにも睡眠は記憶を定着させることや免疫機能を強化させるといった役割もあります。

質のよい睡眠を得るためには

それでは質のよい睡眠を得るにはどうしたらよいのでしょうか。入浴や食事の時間、また睡眠グッズやアイテムがポイントとなります。

夕食について

夕食は就寝する3時間以上前に済ませましょう。胃腸を休めてから眠ることが理想的だからです。また人間は高い体温が下がるときに深い眠りにつきやすいので、夕食は体を温める食事がおすすめです。カプサイシンは上がった体温を下げる作用があるので夕食に唐辛子を取ることはおすすめです。

入浴について

入浴はシャワーではなく、浴槽に40度ほどのお湯をはってゆっくりと浸かるのがおすすめです。リラックスできることに加え体全体が温まるので、入浴後体温が下がることで寝つきやすくなります。入浴後に手首や足首を伸ばす軽いストレッチをすることも質のよい睡眠につながります。

質のよい睡眠を得るには枕選びも重要です。自分に合っていない高すぎる枕だと、首が落ち込むため肩こりやいびきを起こすことがあります。逆に顎が上がってしまった状態は口呼吸になってしまうことがあるので、寝具メーカーなどで実測してもらい自分に合った枕を使いましょう。

パジャマ

Tシャツや短パン、ジャージを着て眠る方もいらっしゃるかと思いますが、パジャマを着て眠ることをおすすめします。パジャマは体を締め付けられないように考え作られているからです。特に吸湿・放湿にすぐれた素材のパジャマがよいです。また体が冷えると浅い眠りになり、特に女性は首や肩、お腹を冷やすのは禁物なので、キャミソールといった肌が露出するものより肩や背中を覆うデザインのものにし、寒い時期はネックウォーマーや腹巻などを使うとよいでしょう。

アロマ

人間の五感の中で快眠効果が最も出やすいのが嗅覚だといわれています。鼻を通る匂いは脳内にある睡眠に深く関係のある自律神経やホルモンをコントロールしている視床下部に直接刺激を伝えるからです。鎮静作用のあるラベンダーやカモミールなどのアロマを試してみてください。

このように食事や入浴、睡眠グッズ・アイテムに気を配ることで質のよい睡眠につながりますので、深い眠りに就けていない方は実践してみてください。

睡眠障害

質のよい睡眠を得る方法を先でご紹介しましたが、それでも睡眠の質が改善されない場合は専門機関で診てもらいましょう。睡眠障害によく見られる症状をご紹介します。

不眠

寝つきが悪い、途中で起きてしまうと再び眠ることができない、ぐっすり眠れない、朝早く起きてしまうといった不眠

日中の過剰な眠気

昼間眠くてしかたがない、居眠りを注意されるなどの日中の過剰な眠気

睡眠中の異常感覚

脚がむずむずして火照るなどし、脚をじっとさせていられずよく眠れないといった就寝時の異常感覚

睡眠・覚醒リズムの問題

就寝したい時刻に眠りに入れず起床したい時間に起きることができない睡眠・覚醒リズムの問題

以上のような症状で日常生活に支障をきたす場合は専門機関で診察してもらいましょう。

 

質のよい睡眠が取れるか取れないかで私たちの健康は大きく変わります。
昼間の日常生活や仕事が集中してできるほか、睡眠には記憶の定着や免疫機能の強化という役割があります。
その睡眠が不足した場合や睡眠障害が長引くと生活習慣病やうつ病になりやすいという統計もありますので、
しっかりと睡眠を取りましょう。

睡眠について疑問やお困り事がある方は調剤薬局キューピー・ファーマシーにお気軽にお尋ねください。
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