認知症は生活習慣でも予防できる?気軽にできる認知症予防の取り組みをご紹介

認知症は生活習慣でも予防できる?気軽にできる認知症予防の取り組みをご紹介
  • 美容と健康

人は経年とともに脳機能が低下し、高齢者の場合では意識して日常的に脳機能を働かせないと「認知症」になってしまいます。認知症はこれまで簡単にできていたはずの日常的な行為ができなくなり、記憶したことを思い出せなくなるなどの症状を良い、末期になると意識が混濁し、いっていることが理解できなくなるなどの極端な機能低下を引き起こします。今回の記事では、認知症予防につながる生活習慣の改善など、さまざまな予防策をご紹介します。

 

1.認知症と生活習慣は関わりがある

認知症は世界中で多く発生していることから、さまざまな研究が地域を問わず進んではいるものの、決定的な構造の解明には繋がっていません。確実に効果があるという予防策は、残念ながらまだ確定されていないのが現状です。

 

しかし、認知症の一種であり最も多い症例である「アルツハイマー型認知症」の場合では、生活習慣や生活環境とその症状が大きく関係していることが徐々に判明してきています。中でも特に、規則正しい生活、バランスのとれた食生活、適度な運動、脳への定期的な刺激などの生活習慣改善が効果的と言われています。

 

2.認知症薬の効果と副作用

認知症は、投薬することで完治は難しいものの、症状の進行を抑えたり、緩和したりする事は可能となっています。そうした際に使われる薬として、国内初の認知症薬「アリセプト(ドネペジル塩酸塩)」が知られています。

 

しかし症状緩和に効果があるとはいっても、そこまで大きなものではありません。その上副作用も報告されており、たとえば吐き気や下痢、手足の震え、筋肉の硬化などの副作用があるといわれています。また精神的にも穏やかだった人が急に怒りっぽくなったといった報告もあり、進行をある程度緩和はできても、まだまだ投薬には問題が少なくないのです。

 

こうした問題もあるため、投薬処置が本当に適切かは、本人・家族・医師も含めた話し合いが必須です。

 

3.認知症予防に有効な策:知的トレーニング・程よい運動

認知症を予防するにあたっては、食習慣、睡眠習慣などの改善をはじめさまざまな方法がありますが、特に重要なのは「知的行動習慣」と「運動習慣」です。

 

3-1.脳トレやパズルなどの「知的行動習慣」

「知的行動習慣」は、パズルやクイズなどの脳トレや、文章の読み書き、暗記、ゲームなどで習慣的に脳を働かせる知的トレーニング全般を指します。介護施設によっては毎日ないし定期的に行われるレクリエーションやゲームによって、そうした知的行動を促してくれるところもあります。

 

知的トレーニングにはさまざまな方法があり、ゲームやクイズなどのレクリエーション要素のある遊びや、パソコンやインターネットに関する学習を行ったり、アカデミックな勉強をやり直したり、また美術館や博物館に通い美的感性や知的好奇心を満たすことも含まれます。

 

3-2.ウォーキングなどの「運動習慣」

「運動習慣」は、習慣的・日常的に、軽めの負担で長時間行う運動、いわゆる有酸素運動に従事することをいいます。国による疫学研究によれば、こうした運動習慣を取り入れるによって、認知症発症リスクがなんと40%~50%下がるという結果が出たとの報告もあります。

 

運動習慣が凄いのは、体力的な劣化を防ぐだけでなく、脳機能をも良好に保持できるという事です。有酸素運動には主にウォーキングやジョギングなどがありますが、こうした運動は方向感覚や距離感覚など、より感覚を鋭敏に働かせることで、脳を働かせることにもつながります。

 

運動習慣についてはウォーキングやジョギングなどに限らず、ヨガや太極拳、水泳、トレーニングジムなどさまざまなものを趣味と一緒に取り入れるという方法も有効です。身体と認知機能を同時に動かせればなんでもよいともいえます。

 

3-3.デュアルタスク(ながら運動)などで意図的に脳を刺激することも重要

デュアルタスクとは、同時に2つの動作を行うことを指し、認知症予防のためにこうしたデュアルタスクをトレーニングとして行うことが有効といわれています。たとえば、テレビを観ながら洗濯物を畳む、といった方法が代表的ですが、2つの動作を同時に行うことで脳の前頭葉の血流が活発化すると言われ、結果的に脳機能の低下を予防することが可能になります。

 

4.認知症予防に有効な策:食生活の見直し

認知症予防には食生活の見直しも重要と言われています。たとえば、以下のようなポイントを意識するとよいでしょう。

 

4-1.低糖分・低塩分を意識する

アルツハイマー型認知症、および脳血管性認知症は、糖尿病患者において発症率が高いことが知られています。また、脳血管性認知症は、高塩分の食事が原因で起こる高血圧、高血圧が原因となって起こる動脈硬化によってリスクが高まることが知られています。

 

そうした事実から、食習慣をあらためるにあたっては、特に低塩分を意識しつつ、低糖分も意識するとよいでしょう。糖尿病は必ずしも低糖質な食事で防げるとは限りませんが、摂取する糖分が多くなりすぎないようにしましょう。

 

4-2.様々な栄養素をバランスよく取るのが一番

糖尿病の予防でも同じようなポイントが指摘されていますが、食事においては特定の栄養素を制限するなどのこだわりを見せるよりも、多様な栄養素をバランスよく摂取できるようなメニューにすることが一番有効です。

 

たとえば極端にタンパク質を制限する食事もよくありませんし、極端に糖質を制限する食事もよくありません。また炭水化物ばかりとってビタミンやミネラルが不足する食事も避けましょう。なるべく、主食、副菜、主菜などをバランスよく摂取し、規則正しく1日3食摂るように心掛けましょう。

 

5.まとめ

以上、認知症予防のためのさまざまな予防策をひととおり解説してきました。大きく分けて、脳機能や身体機能に刺激を与える方法と、食生活を見直すことで生活習慣予防から間接的に認知症を防ぐ方法の2つがあることが分かっていただけたでしょうか。

 

認知症は発症してしまうと完治が難しいといえるうえ、認知症の予防は健康寿命の延伸にもつながりますので、より充実した老後を過ごすために必須といえるでしょう。

 

埼玉県春日部市に3店舗を展開する「調剤薬局キューピー・ファーマシーグループ」では、医師の処方箋をもとに薬を調合する調剤薬局でありながら、なるべく無駄な薬の服用を避け、自身の免疫力によって身体や心の状態を健康に保つことを意識していることが特徴的です。

 

認知症予防でも、投薬より習慣の見直しが大切といわれています。公式サイトでは薬に頼らない健康づくりに関するコラムを多数掲載中ですので、ぜひ一度ご覧になってみてください。