予防歯科とは?歯や口腔内の健康を守るための予防治療、その流れや内容を解説

予防歯科とは?歯や口腔内の健康を守るための予防治療、その流れや内容を解説
  • 美容と健康

「予防歯科」はご存知ですか?アメリカなど諸国でその有効性が実証され、近年、日本でも注目を集めています。通常の歯科とは違い、虫歯や歯周病などの治療を行うのではなく、そうした治療が必要なくなるよう、予防に徹するのが「予防歯科」ですが、具体的にはどういったアプローチで予防を行うのでしょうか。今回は、予防歯科とは何か、治療の流れや内容などを簡単に解説していきます。

 

1.予防歯科とは?

通常、歯科に行くときは、「虫歯や歯周病など既に痛みなどの症状が出ている病気を治す」ために行く人が多いのではないでしょうか。

 

しかし、永久歯を高齢になっても保つためには、こうした歯周病や虫歯などの症状そのものの発症を防ぐ取り組みを行うことが必要不可欠であることが知られるようになりました。近年特に、歯周病が全身の病気と関連づけられる研究報告が出るなど、口腔内の健康が全身の健康に影響を与えることが話題となっています。

 

こうした中で日本では、厚生労働省が予防歯科推奨のための基本事項を制定するなど国にもその必要性が認められるようになったことで、予防歯科が注目を集めているのです。

 

2.永久歯の抜歯原因は「虫歯」「歯周病」で7割を超える

8020推進財団による調査によれば、永久歯の抜歯原因の筆頭が「歯周病」で42%、次いで「虫歯」が33%となっており、この2つだけで原因全体の7割以上を占めています。

 

その他「破折」や「矯正」などもありますが、つまり、歯がなくなる原因の大半が歯や歯茎の病気であることがわかります。従来、あらゆる病気の予防は患者さん自身で日常生活において心掛けることが普通でしたが、歯というものにおいては、病気を放置してしまうと歯がなくなるなど重大な弊害が起きてしまうので、徹底した予防が必須でした。

 

特に歯は、病気を放置することで全身症状を引き起こしたり、固形物の咀嚼ができなくなってしまうなど、日常生活に著しい障害が生じます。予防策をセルフケアで行えれば理想ですが、歯の構造は難しくセルフケアではどうしても限界があることも事実。

 

そうした時に、「予防歯科」が活躍するのです。予防歯科ではプロの歯科医師や歯科衛生士が、こうした虫歯や歯周病を中心としたあらゆる歯の病気の発症そのものを防ぐためのあらゆる取り組みを行ってくれます。

 

3.予防歯科の具体的な治療内容とは?

予防歯科では、主に以下のような順番で予防治療を行っています。

 

3-1.虫歯や歯周病の状態、歯の磨き残しの有無などをチェック

最初に、一般的な歯科と同じように、口腔内の健康状態のチェックからスタートします。よく一般的な歯科でも行われるように、その場で患者さん自身が歯磨きを行い、染め出し液を使って歯垢を染め、磨き残しを視認できる状態にします。

 

同時に、歯周病や虫歯の症状が出ていないかも確認します。歯周病や虫歯がなくとも、磨き残しがあるとそうした病気に進行してしまうリスクが高まりますので、普段の歯磨きの見直しを歯科衛生士の指導のもと実施します。

 

3-2.歯石除去、バイオフィルム除去

普段の歯磨きでは落としきれなくなってしまった歯石や歯垢の塊、歯と歯の間にあるいわゆる「歯周ポケット」に溜まった粘性細菌の集合体などを「バイオフィルム」と呼びます。予防歯科では、こうした歯石や歯周ポケットなどのバイオフィルムを、超音波を利用した機械で削り取っていきます。この治療をPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング)と呼びます。

 

3-3.歯の表面を研磨し、フッ素コーティングを実施

PMTCを行った歯は表面がざらついており、そのざらつきが新たな歯垢や細菌の付着の元となってしまいます。そのため、PMTCを行ったのち、歯の表面を研磨し、綺麗な状態に整えます。その後にフッ素を浸透させることで、歯の再石灰化が促され、表面強度が飛躍的に増すだけでなく、歯垢などの汚れが付着しにくくなります。

 

フッ素コーティングを行うだけで、虫歯予防効果は飛躍的に上昇するのだそうです。フッ素を塗布した後、30分〜1時間後にうがいをして終了となります。この間、飲食をしてはいけません。

 

4.予防歯科に通うメリットとは?

予防歯科は、その目的が治療ではなく「予防」にあることから、なかなか自覚的に通おうとは思わないかもしれません。実際、病院というのはなるべく行きたくないものですし、自覚症状が出るまでは病気を放置してしまいがち。しかし歯科に限っていえば、予防歯科に通って予防に努めることが将来の歯の維持に直結していきます。以下に、予防歯科に通うことのメリットを紹介しましょう。

 

4-1.歯の病気の予防につながる

予防歯科に定期的に通う事で、名前の通り虫歯や歯周病といった口腔内の病気を未然に防ぐことが可能です。この事実は一見当然なようですが歯にとっては非常に重要な事であることは先ほども説明した通りです。

 

特に歯石化してしまった歯垢や、歯と歯の間のアプローチしにくい場所にある歯周ポケットの細菌除去などは素人の手では難しく、不完全になってしまいがち。こうしたものをプロの手によって除去してもらえ、フッ素コートなどのメンテナンスもしっかりしてもらうことで、予防効果が飛躍的に向上することを期待できます。

 

定期的な診療もそれだけで重要で、定期的に歯を見てもらっていれば病気になってしまっても早期発見・早期治療が可能になります。一生歯を健康に保つために、予防歯科のメリットは大きいのです。

 

4-2.歯の病気が発覚してから治療するより、結果的に安く済む

予防歯科に足がどうしても向かない人も多いでしょう。なぜなら、病気かどうかもわからないのに治療やメンテナンスにお金をかけるのは如何なものか?と考えるのが普通だからです。

 

しかし、定期的に検診を行っていれば、症状が軽度なうちに手が打てるので、治療も短く最低限で済みますし、歯の病気が発覚してから治療を繰り返すよりも、歯周病の進行をより早く食い止めることができます。

 

また、症状が進行するまで歯科にかからないと、結果的に手術や抜歯などの重い治療となってしまう可能性が大きくなります。自覚症状が出てから治療するだけ、の繰り返しよりも、健康な状態であっても定期的に歯をメンテナンスしてもらうことの方が、結果として治療費が安く済み、かつより長く歯を健康に保つことが可能になります。

 

5.まとめ

以上、予防歯科とは何か、その治療の具体的な内容などを解説してきました。予防歯科はあくまでもプロがそうした予防措置を専門的に行ってくれる場所であって、もちろんセルフケアでの予防もできるならやるべきですし、まずは歯の病気の予防がいかに大事かを意識することが肝心要となります。

 

埼玉県春日部にある「調剤薬局キューピー・ファーマシーグループ」では、処方箋を元に薬の調剤を行う薬局であり、薬を安心して健康づくりに役立ててもらうことを目的としながらも、その根本に掲げている目標は、「心と体を健康に導くこと」。そのためなら、薬の服用をやめることも選択肢に入れる方針をとっています。

 

薬を投薬しないことも含めて、患者さんに本当に合った「薬との付き合い方」を提案する当局では、公式サイトにて健康や予防に関するコラムも多数掲載中です。是非一度アクセスしてみてくださいね。