健康寿命を延ばすことを意識した病気の予防策とは?生活習慣病などの大病を防ぐための取り組みを解説

健康寿命を延ばすことを意識した病気の予防策とは?生活習慣病などの大病を防ぐための取り組みを解説
  • 美容と健康

「健康寿命」という言葉をご存知でしょうか。通常の寿命は純粋に亡くなるまでの年齢を指しますが、健康寿命とは寿命を更に細分化し、文字通り「健康に、元気に生きていられるまでの年齢」を指します。人生100年時代と言いますが、長生きするなら出来る限り長く健康な状態で生き永らえたいもの。今回は、健康寿命を延ばすことを意識した、病気の予防策について解説していきます。

 

1.「健康寿命」とは?

まずは具体的な定義からご紹介しましょう。

 

「健康寿命」とは、日常的かつ継続的な医療による治療や、介護などに頼ることなく、日常生活を自分で、自立して送ることができる状態で生きている期間を指します。この概念を最初に提唱したのはWHO(世界保健機関)で、定義としては、いわゆる平均寿命から、医療や介護に頼って生きる期間を除いた期間を指します。

 

WHOを筆頭に、各国の政府・保健や医療に関わる行政機関がこの「健康寿命の延伸」を政策目標にしており、重要な指標としているのは、この健康寿命の維持が結果的に国家負担の医療費・介護費の削減に繋がるからです。

 

健康寿命の延伸に関する文書は、厚生労働省はじめ政府機関、医療機関や公益社団法人など様々な機関が発行しており、健康寿命延伸に向けた各種取り組みが注目されています。

 

2.厚生労働省の「健康日本21」施策とは?

厚生労働省が主体となって行なっている運動に「健康日本21」というものがあります。健康日本21とは、国民・企業等に健康づくりの取り組みを浸透させて行くことで、健康増進の観点から理想とする社会に近づけていこうという運動です。10年後に目指すべき姿として「全ての国民がともに支え合い、健康で幸せに暮らせる社会」を掲げており、それぞれのライフステージに準じた健康づくりを進めていこうという観点で目標を設定しています。

 

以上のような健康づくりの筆頭として厚生労働省が挙げているのが「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」と、「主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底」です。その他にも様々な活動を挙げていますが、その全ての基本となるのがこの2つといっても過言ではありません。

 

3.健康寿命を延ばすことが、社会にとってもプラスとなる

厚生労働省が健康づくりの筆頭として健康寿命の延伸を挙げている理由としては、2010年時点での平均寿命と健康寿命の差分が、男性9.13年、女性12.68年とわかったことがあります。このままこの差分が拡大すれば、医療費・介護費の支給期間もその分長くなり、社会保障制度の持続に大きな負担となってしまいます。

 

そしてのちの調査で、2016年時点で健康寿命が男性1.72年、女性1.17年延びていることが明らかになりましたが、その一方で平均寿命も飛躍的に延びていて、結果的に健康寿命と平均寿命の差分は10年以上に拡大してしまっており、結局医療・介護の助けが必要になる期間が大きくなってしまっているのです。

 

健康日本21が掲げられたのは2012年なので、結果だけみればこの目標は達成しきれていないと言えます。今後より一層健康寿命を延ばすことを意識しなければなりません。この平均寿命と健康寿命の差分が減っていくことで、社会保障負担の軽減が期待できるとともに、多くの人々の生活の質、QOLを高め、より豊かな人生を送ることが可能となります。結果、国にとっても国民にとってもプラスになるわけです。

 

4.健康寿命を延ばすための「7つの取り組み」とは?

それでは、健康寿命を延ばすためにはどういったことを心がけるべきなのでしょうか。心がけるべきポイントとしては、以下の7つが挙げられます。

 

1.野菜多めで栄養価の高い、バランスの取れた食事

2.十分な睡眠と規則正しい生活

3.適度な運動(軽く汗ばむ程度の有酸素運動を毎日1時間程度)

4.禁煙

5.お酒はほどほどに(ビール中瓶1本、日本酒1合程度)

6.歯周病予防を心がけよう

7.生活習慣病を予防する生活習慣

 

どれも日常生活において健康を保つ上で必須の取り組みばかりです。4.の禁煙は長く喫煙を続けている方ほど大変ですが、禁煙は段階的に行い、そこから全く吸わなくなる期間を増やしていくのが理想とされています。

 

6.の歯周病についてはあまり知られていないかもしれませんが、近年、歯周病が全身の病気に繋がっていくという報告が相次いでおり、毎日歯を磨き口腔内の健康を守るだけでも、健康寿命の延伸に大きく寄与する可能性があります。

 

また、7.の生活習慣予防に関しても、5までの生活習慣を守ることで多くの病気を予防できる可能性が大きくなりますので、これらの取り組みを心掛けるようにしましょう。

 

5.まとめ

以上、健康寿命とは何かを一通り説明しつつ、健康寿命を延伸するための予防策をご紹介しました。健康寿命のための取り組みとはいえ本当に特別なことはなく、日常的な健康を維持していくために従来から提唱されていた取り組みばかりです。健康な身体は健康な生活習慣から生まれるといっても過言ではありません。その継続が健康寿命の延伸に繋がっていきます。

 

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