お風呂は風邪予防になる?様々な効果が期待できるオススメの入浴法を解説

お風呂は風邪予防になる?様々な効果が期待できるオススメの入浴法を解説
  • 美容と健康

風邪になった時は、よく入浴してはいけないと言いますよね。しかし、症状が比較的軽いときや、風邪を予防する上では、逆に入るべきと言われています。入浴には様々な健康に対する効果が知られていますが、病気予防にも効くと言われているのは果たして本当なのでしょうか。今回は、入浴による予防効果について、具体的な入浴方法や注意点も含めて解説していきます。

 

1.風邪を引いているときは入浴してはいけない?

日本では、昔からよく「風邪が悪化するから風邪の時の入浴はダメ」と言われます。幼い頃、学校を休んだ時に、お風呂に入ってはいけないと言われて育った人も多いのでは?実はこれ、あながち嘘でもないのですが、昔の日本の環境が前提の経験則的な知識だったりするんですね。

 

というのは、かつての日本、特に江戸時代以前の日本では、お風呂は家の外にあるのが普通でした。そもそも水道も通っていなかったので、井戸から桶で水を汲むような時代だったわけで、水を大量に消費するお風呂は外にある方が都合が良かったのです。

 

また、昭和の時代になっても、風呂付きの家というのはまだまだ少なく、そうした時代には多くの人が銭湯など大衆浴場に足繁く通う日々でした。家とお風呂は基本的に分離されていたわけです。

 

そんな環境で風邪を引いた状態で入浴となると、お風呂に入っているうちはいいもののお風呂に行くまでや、入浴後に外気にさらされることになりますから、体温が下がって風邪が悪化すると考えられていてもおかしくありません。

 

しかし今は事情がかなり異なっています。お風呂がついた家が当たり前になり、ワンルームマンションでも自宅でそのまま風呂に入れる環境が整っており、廊下や脱衣所などはある程度は気温が低いとしても屋内なので一定の温度は保たれており、体温は昔ほど奪われることはなくなりました。

 

その為、「風邪を引いていても入浴してはいけない」というのは昔ほど確実な対策ではなく、症状によっては入浴を避けるべき時はあるものの、「むしろ軽い風邪くらいであれば入浴した方がいい」と言われるまでになりました。

 

2.お風呂に入らない方がいい症状もある

とはいえだるくて入浴したくないというのもわかりますし、また程度によっては実際にお風呂を我慢すべき症状もあります。以下で詳しくみていきましょう。

 

2-1.38度以上の高い熱が出ている

38度以上の高熱の場合は、入浴するべきではありません。何故なら、高熱の時は体力が低下しているので、特に他の人、例えば家族が使った後の入浴は避けるべきです。人の残り湯には皮脂や垢などとともに細菌が浮いているので、抵抗力が落ちている状態での入浴はしないのが無難です。

 

体温を上げれば治る、と言われていますが、体温が38度を超えている時は既に身体が菌を殺す体制が出来上がりつつあります。逆に湯冷めすることでせっかく上がっていた体温を下げてしまうことにも繋がりますし、身体が弱っている時には特に入浴などで急な温度変化に身体を晒すことは危険です。

 

同じ理由で、乳幼児や高齢者などが体調を崩している時にも入浴は避けるようにしましょう。免疫力が低下している時にはなるべく入浴は避けるべきなのです。

 

2-2.下痢や嘔吐などの症状がある

病気によっては下痢や嘔吐が伴うものもあります。特に病原菌による感染症などで症状が出ている場合には、体力が低下しているだけでなく脱水症状を引き起こしやすい状態になっています。

 

入浴は全身を湯に浸すから大丈夫だと思っている方もいますが、発汗作用があるので逆に水分が失われる行為なのです。さらに脱水症状が進んでしまい、危険な状態になってしまう可能性もあります。

 

また、症状が出ている人が入浴した後に家族などが入浴すると、残り湯を通して病原菌が体内に入ってしまい二次感染のリスクもあります。下痢や嘔吐がある状態では、症状が落ち着くまでは入浴は避けるべきです。

 

3.様々な病気の予防になる適切な入浴法とは

以上のような症状が出ていない場合、特に風邪の症状が軽い時には、むしろ入浴は推奨されています。そうした時に大事なのはお風呂の入り方で、余計にリスクを高める入浴方法を取ってしまっては意味がありません。ここでは、お風呂の適切な入り方を紹介していきます。

 

3-1.入浴前や後に体温を下げないようにする

風邪の症状が出始めている時に入浴をする目的は、「身体を温めることで免疫力を上げる」ことです。お湯に浸かるので必然的に体温が上がりますが、入浴前後に体温を下げてしまっては折角の入浴も意味がなくなり、逆にリスクを抱えるだけになってしまいます。

 

その為、お風呂に入る前に脱衣所、浴室などを温めておくといいでしょう。とはいえ脱衣所にまでエアコンや暖房設備があるような家は少ないでしょうから、手軽な方法としては、まずは湯船の蓋を開けてそのまま湯気を浴室に充満させることで浴室を温め、熱いシャワーを出しっ放しにして浴室の扉を開け、脱衣所に湯気を通すといいでしょう。

 

温度管理は重要なので、できれば脱衣所にも温度計を置いて、エアコンのあるリビングなどの部屋との温度差を10度以下にするようにしてください。極端な温度変化はヒートショックなどの様々な症状を引き起こします。

 

3-2.コップ一杯の水を飲んでから入浴する

先ほども説明しましたが、入浴は発汗によって体内の水分を意外に多く奪ってしまいます。入浴時に脱水症状を引き起こしては病状がひどくなるだけですので、コップ一杯分の水を飲んでからお風呂に入るといいでしょう。

 

また、シャワーだけでは身体が温まらないので、きちんと身体を温めるためにも最低5分以上は湯船にゆっくり浸かるようにしましょう。あまり長く浸かりすぎてものぼせてしまいますし体力も消耗してしまうので、湯船に浸かるのは長くても15分までがいいです。

 

お湯の温度は高すぎても低すぎてもいけません。風邪だからといってあまり熱すぎるお湯に入っても身体に負担がかかるだけですので、お湯の温度は40度程度を目安にしましょう。

 

4.お風呂に入る際の注意点とは

ここからは、お風呂に入る際の注意点を紹介していきます。基本的には、適切な入り方を意識すればいいのですが、それだけでは不十分で、思わぬところに落とし穴があります。以下に詳しくご紹介しましょう。

 

4-1.湯上がりにすぐに寝間着を着てはいけない

先程、入浴の目的は身体を温めることだと説明しました。この点を意識するあまり、お風呂上がりにすぐ、身体を冷やさないように寝間着を着ようと考えてしまいがちですが、これは残念ながら誤りです。

 

よく勘違いされがちなのですが、お風呂上がりにちゃんと身体を拭いておくことで汗も拭き取った、と思う方がいらっしゃいますが、実際には「入浴後しばらくの間は汗が出続ける」のが人間の作用です。そのため、お風呂上がりにすぐ身体を拭き、そのまますぐに寝間着を着てしまうと、寝間着が汗を吸収します。そのまま外気などで冷えてしまうと、寝間着の温度が急激に下がってしまうのです。

 

結果的に裸のまま外気にあてられて湯冷めしてしまうのと同じようなことが起こってしまうのです。本人は服を着ることで防寒できていると思っている分、余計にタチが悪いかもしれません。かといって余計に身体を悪くするなら裸でいればいいのか?といえばそういうわけでもありません。湯上がりに裸のままでいることこそ風邪を余計悪化させますし、発汗でそのまま体内の水分が蒸発してしまいますので、お勧めできません。

 

入浴後は、バスローブなどで10分ほど身体を覆うのが一番効果的です。バスローブがない方は大きめで厚めのバスタオルで身体を巻くのもお勧めです。バスローブやバスタオルは、汗をちゃんと吸ってくれますし、乾燥から肌を守ったり、体温を逃さずかつ落ち着かせる効果が期待できます。

 

4-2.お風呂から上がった時にもコップ一杯の水を飲もう

お風呂上がりにもちゃんとコップ一杯の水を飲みましょう。

 

風邪をひいていて微熱程度の発熱がある状態では、ただでさえ体内の水分が奪われやすい状態になっています。お風呂に入る前だけでなく、お風呂上がりにもちゃんと水分補給をするようにしましょう。水だけでなく、スポーツドリンクなどでもOKです。

 

5.まとめ

以上、病気の予防にもつながる入浴の仕方について、一通り説明しました。入浴することの最大の効果は「体温をあげることで免疫力を強化する」もので、この利点を活かしつつ、台無しにしないような入浴方法を取らないと、折角の入浴がただリスクを取るだけの行為になってしまいます。

 

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