睡眠時間が長すぎても身体に悪い?長時間睡眠の原因

睡眠時間が長すぎても身体に悪い?長時間睡眠の原因
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人によって適切な睡眠時間は異なっており、なかには睡眠時間を長くとる方もいます。「ロングスリーパー」という言葉もあるように、10時間以上の睡眠を必要としている方も少なくありません。

 

しかし、睡眠時間が長すぎると身体に悪影響を及ぼす可能性もあります。また「過眠症」である可能性もあるので、一度確認してみることをおすすめします。この記事では、睡眠が長すぎる場合に生じる問題点や過眠症について解説します。

 

1.ロングスリーパーとは

10時間以上の睡眠を必要とする方を「ロングスリーパー」と呼びます。通常の睡眠時間はおよそ7時間~8時間といわれていますが、遺伝子的要素の観点からロングスリーパーは存在すると考えられています。

 

このことから、ロングスリーパーは病気ではなく、体質であるとされています。しかし、10時間以上睡眠したにも関わらず、日中に眠気を感じたり昼寝などを行ったりする場合は、過眠症の可能性があります。

 

ロングスリーパーは、日常生活において睡眠に費やす時間が多くなりやすいです。とくに社会人は、帰宅の時間から就寝までの時間が短いこともあり、なかなか睡眠時間を確保することができません。

 

睡眠時間が長いほど、睡眠不足になる可能性も高くなります。また、最近の研究結果で、睡眠のとりすぎによる健康被害が懸念されています。1日に10時間以上の睡眠をとるロングスリーパーは、平均睡眠時間の人と比べて心臓発作などの心血管疾患にかかるリスクが高いとされています。

 

睡眠のとりすぎは、身体にある体内時計のリズムを崩してしまいます。睡眠することで得られる恩恵を阻害するとも考えられており、起きたときに意識がはっきりない場合は、睡眠サイクルの途中で起きている可能性があります。

 

2.睡眠が長すぎる場合の問題点

睡眠時間が長すぎる場合、さまざまな問題が示唆されるようになりました。ロングスリーパーの可能性もありますが、一般的には9時間以上睡眠を必要とする方の多くは、潜在的に健康面で不調があるかもしれません。

 

ここでは、睡眠時間が長すぎることで起こる問題についてご紹介します。

 

2-1.脳機能の低下

2012年に行われた研究では、眠りすぎの女性の脳機能が低下しているという結果が出ています。毎日9時間以上眠った方の脳は、およそ2年分の老化が見られたと発表されました。

 

2-2.心臓に負担がかかる

睡眠時間が長いと、心臓疾患にかかる可能性が高まるといわれています。平均睡眠時間の人に比べると、扁桃炎になる確率はおよそ2倍高まり、冠状動脈不全にかかる確率はおよそ1.1倍といわれています。

 

2-3.寿命が短くなる

睡眠時間が長いと、身体に負担がかかるため寿命が短くなるといわれています。これは米カリフォルニア大学の調査で発見されており、1日に8時間以上の睡眠をとっている人の死亡率がおよそ20%高くなっています。

 

3.最適な睡眠時間

一般的な睡眠時間はおよそ7時間~8時間といわれています。しかし、さまざまな研究によって、この平均睡眠時間も前後しており、確実なものは明らかになっていません。睡眠時間よりも大切なのは、睡眠の質だといわれています。

 

ロングスリーパーと同様に、ショートスリーパーといった特殊な睡眠傾向を持っている方もいますが、睡眠の質が高ければ、睡眠時間が少し短くてもスッキリとした目覚めで朝を迎えられます。

 

睡眠の質は「少し寝足りない」と感じるくらいが丁度良いといわれています。睡眠が足りない分を身体が補おうとするため、次の睡眠時に深い眠りに付きやすくなるからです。

 

4.過眠症とは

最後に過眠症についてご紹介します。過眠症とは、通常よりも多くの睡眠時間が必要となる睡眠障害のひとつです。夜更かしをしたわけではなく、しっかり眠っているのに日中強い眠気が生じることが特徴です。

 

この期間が1か月以上続く方は、一度病院にて受診することをおすすめします。過眠症の症状でよく見られるのが、睡眠時無呼吸症候群や特発性過眠症、反復性過眠症などです。ほかにもさまざまな症状がありますが、ほとんどの病気に共通して日中強い眠気に襲われます。

 

起きていられないくらいの眠気が1か月以上続く場合は注意が必要です。反復性過眠症の場合は、一度症状がおさまっても不定期に同様の症状があらわれます。このときも病院での受診が大切です。

 

また、睡眠時無呼吸症候群は自分では気が付きにくい特徴があります。このとき頼りになるのは、パートナーや一緒に住んでいる方からの指摘です。無呼吸になると、血圧上昇や心不全などのリスクが高まるので、一度確認してみてください。

 

5.まとめ

睡眠時間が長い方の中には、ロングスリーパーと呼ばれる特殊な睡眠傾向を持った方もいます。日中に強い眠気を感じやすい方は、身体の体内時計が乱れているなどのトラブルが原因かもしれません。

 

「調剤薬局キューピー・ファーマシーグループ」では、睡眠時間が長すぎる場合の相談などに対応しています。睡眠時間が長すぎることによる睡眠障害や、その他のトラブルを感じたらまずは一度お気軽にお問い合わせください。