肥満気味の方、お酒をよく飲まれる方、ストレスを感じやすい方は、高血圧と診断される方が多いです。年齢とともに血圧が高くなっていくということもあるでしょう。
血圧を下げるには西洋薬と漢方が主に挙げられますが、やたらに薬を使って下げてしまうよりも、根本的に血圧を下げていく治療方法をとる方がいいこともあります。
そこで今回は、比較的身体に負担なく緩やかに血圧を下げる効果を期待できる漢方についてご紹介していきます。
1.あなたは大丈夫?こんな方は高血圧かも
突然ですがこのような症状が思い当たることはありませんか?
・肩こり
・耳鳴りがする
・頭が重だるい
・胸が締め付けられる/動悸がする
このような症状が当てはまる方は高血圧である可能性があります。高血圧といっても、なんとなくで判断するのではなく、しっかりとした基準が存在します。一般的には、病院で測定した際に140/90mmHg以上、自宅で測定した際に135/85mmHg以上ある方が高血圧と診断されます。
もちろん血圧は常に一定ではありません。その時の体調や精神状態によって多少変動します。とはいってもこの状態が続くのであれば、様々な症状に悩まされることとなるでしょう。
2.漢方で血圧を下げることはできるの?
高血圧を改善する方法に「漢方」があります。漢方は西洋薬とは違い、急激に血圧を下げることはできません。しかし、体も何の理由もなく血圧を上がるわけではありません。 その血圧を一気に下げてしまうと体に負担がかかってしまうという考え方もあります。そんなときに漢方の存在が大きな味方になります。
2-1.漢方は劇的に血圧を下げるものではありません
先ほども申しましたが、漢方は血圧を急激に下げる薬ではありません。長期服用することで緩やかに血圧を下げる効果を期待できるというものです。
2-2.症状に合わせて薬を選べるのは漢方のメリット
血圧が上がることによって起こる症状はさまざまなものがあります。漢方であれば、そういった症状の一つ一つに合わせた処方ができる(薬を選べる)メリットがあります。不調に合わせた薬を選ぶことで、より目的の症状改善をしやすくなるとされています。
3.高血圧には「漢方+生活習慣の改善」がおすすめ
3-1.薬に頼るだけでは根本的な改善にならない
しかし薬に頼るだけでは、高血圧はなかなか改善されないこともあります。高血圧の原因の大きなものに、生活習慣があるからです。せっかく薬で血圧の上昇を緩やかにしても、生活習慣が乱れていては元の木阿弥です。しっかりと高血圧を改善したいのであれば、「漢方+生活習慣の改善」を行うことが望ましいと言えます。
3-2.自分でできる生活習慣の改善
高血圧を改善するために自分でできる生活習慣の改善には次のようなことが挙げられます。
・塩分を取りすぎないようにする
・動物性脂肪を摂りすぎないようにする
・タバコの吸いすぎに注意
・ストレスを溜めすぎない/イライラしない
・緑黄色野菜を摂取する
・適度な運動と睡眠
これらはすべて高血圧の症状を改善するために必要な生活習慣の改善です。思い当たる事がある方はすぐさま改善されることをお勧めします。
4.高血圧の際に処方される漢方の種類
先ほど、高血圧と不調の種類にあわせて漢方の処方を変えるというお話をしましたが、高血圧の際に処方される漢方をいくつかご紹介しましょう。
・釣藤散(ちょうとうさん)
高血圧により併発する肩こりやめまいの症状にお悩みの方に処方される漢方。
・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
肥満気味な方に処方される事が多い漢方です。皮下脂肪が多い、便秘がちという方にも処方されます。
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
普段お酒をよく飲まれる方に処方されることが多い漢方です。胃腸が弱っている方にも処方されます。
・七物降下湯(しちもつこうかとう)
高血圧の方で顔色が悪い方、耳鳴りを併発する高血圧に悩まされている方に処方される漢方。
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
高血圧の方で不眠に悩まされている方や、精神が不安定な方に処方される漢方。
ごく一部の漢方をご紹介しましたが、実際にはもっと数多くの漢方が存在します。それぞれの症状に合わせた漢方を処方されるかと思いますので、まずはご自身の症状を担当のお医者さんにご相談されると良いでしょう。
5.まとめ
漢方は西洋薬のように急激に血圧を下げるものではありません。高血圧に伴う症状の種類に合わせて用いることで緩やかに血圧を下げる効果を期待できるものです。
また、漢方は生活習慣の改善と組み合わせることでよりその効果を実感しやすいとも言われています。漢方を用いる際は、ご自身の生活習慣を見直し改善しながら使用されることをお勧めします。
逆にせっかく漢方で血圧が落ち着いたとしても、生活習慣が改善されなければ、薬をやめればすぐに元通りの血圧になってしまうことでしょう。
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