あなたの漢方の飲み合わせは大丈夫?気をつけたい飲み合わせのアレコレ

あなたの漢方の飲み合わせは大丈夫?気をつけたい飲み合わせのアレコレ
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漢方は副作用がないからどんな薬と飲んでも大丈夫、自分の普段飲んでいるサプリメントと一緒に飲んでも平気でしょ、と思っていませんか。実は漢方は飲み合わせに気をつけないといけないケースがあります。最近では医師も漢方をよく処方するようになり、飲み合わせが問題となるケースが増えてきています。

 

そこで今回は知っておいて欲しい漢方の飲み合わせについてご紹介していきます。

 

1.漢方の飲み合わせとは?

飲み合わせとは薬を2種類以上飲むことを言います。漢方というのは生薬であり、複数の生薬を組み合わせています。漢方自体が総合風邪薬のように複合されているもので、単剤で使われることはほとんどありません。漢方はそれぞれ合わさっている生薬の効果を弱めたり、副作用が出ないように配合されています。

 

漢方では、単剤で使う場合、同じ効果のある生薬を一緒に配合して作用を強くするというように組み合わされています。また主に作用を出したい生薬の効果を強める生薬や、副作用を軽減させるために一緒に配合されている生薬もあります。漢方の調合はこのように薬の効果を効率的に発揮させるために配合されているのです。したがって配合された漢方を別の漢方と一緒に飲んでしまうと、効果が半減してしまうことや、逆に副作用が増強されてしまう恐れもあるので注意が必要です。

 

2.漢方同士の飲み合わせも注意が必要

高血圧や糖尿病の薬などを飲んでおらず、漢方だけ薬局で買って服用しているという方も最近では多くなってきています。いろいろな漢方が販売されており、血圧が少し高いので血圧にいい漢方を飲んで、さらに風邪気味のときには葛根湯を一緒に飲んで、というようにいろいろな漢方を一度に飲み合わせてしまうことがあります。漢方は基本的には生薬が何種類も配合されています。したがって血圧に作用する漢方の中に、風邪の引き始めにいい葛根湯と重複している生薬が入っているケースがあります。重複していると、その生薬の効果が増強され、逆に体調を崩してしまう恐れがあります。

 

例えば、風邪のひき始めによく服用する葛根湯ですが、成分として、カッコン、タイソウ、マオウ、カンゾウ、ケイヒ、シャクヤク、ショウキョウといった生薬が配合されています。一方、花粉症のシーズンで鼻炎に効果のある小青竜湯(ショウセイリュウトウ)を一緒に飲むとします。この小青竜湯にはハンゲ、カンゾウ、ケイヒ、 ゴミシ、 サイシン、シャクヤク、マオウ、カンキョウといった生薬が配合されており、ケイヒ、カンゾウ、マオウ、シャクヤクが被っています。ケイヒの副作用が強く出てしまうと粘膜などのほっ石などが強く出てしまったり、カンゾウであれば腎臓に障害が出てしまう恐れもあります。ですから漢方だから安心というわけではありません。成分が重複していないかどうかをしっかりと漢方の専門家に相談しましょう。

 

3.常用薬と漢方の飲み合わせは危険もある?

普段からお医者さんで喘息など持病のお薬をもらって内服しているという方も多いですが、持病のお薬と漢方の飲み合わせも注意が必要です。

 

常用薬で注意して欲しいのが気管支喘息でよく処方されるエフェドリンです。エフェドリンと葛根湯などに含まれるマオウという成分はエフェドリンと同じ成分であるため、効果が増強されてしまいます。その結果心臓に負担がかかり、心筋梗塞といった重篤な副作用が起きることがあります。

 

また脳梗塞にかかったことがある方は血液をサラサラにするお薬であるワーファリンを服用されています。このワルファリンと漢方に含まれている生姜が作用を増悪させてしまうことあります。生姜は血行がよくなるため、血がより止まりにくくなることがあります。

 

このように西洋薬と漢方の飲み合わせも十分に注意しましょう。

 

4.飲み合わせに注意するために大切なこと

漢方は安全なお薬ですが、やはりいくら自然の成分から作られているとはいえ、飲み合わせによって効果が出なくなってしまったり、作用が増強されてしまったり、副作用が強く出てしまうことがあります。ですから飲み合わせは十分に気をつける必要があります。そこで飲み合わせにどうやって気をつければいいのか予防法をご紹介します。

 

4-1.薬剤師に相談

まずは薬剤師に相談しましょう。市販の漢方を購入するときでも薬局にいる薬剤師に相談することで漢方同士の飲み合わせが悪いものがないかを教えてもらえます。

 

4-2.お薬手帳を持つ

医師が処方するお薬を調剤薬局で処方してもらいます。その際にお薬手帳を発行してもらいましょう。お薬手帳を発行することで持病のお薬と漢方の飲み合わせが悪くないかを把握することができます。

 

5.まとめ

漢方は安全な薬ではありますが、自分で漢方同士を組み合わせてしまうと作用がかえって半減したり、副作用が強く出てしまうことがあります。また持病のお薬と漢方の飲み合わせが悪く、持病を悪化させてしまう恐れもあるので十分に注意が必要です。飲み合わせは専門家である薬剤師に相談しましょう。

 

「調剤薬局キューピー・ファーマシーグループ」では、漢方に関するご相談も承っております。漢方の飲み合わせが気になる方はお気軽にご相談ください。