健康によい入浴のタイミングとは? 食事との順番や時間帯でどう変わる?

健康によい入浴のタイミングとは? 食事との順番や時間帯でどう変わる?
  • 美容と健康

毎日の入浴、健康によいタイミングを意識していますか? お腹が空いている日は食事が先、さっぱりしたい日は入浴が先など、その日によってバラバラという方も多いかもしれません。そこで今回は、健康によい入浴のタイミングについて考えてみます。

入浴と食事、どちらが先?

入浴と食事の順番については、医学的に入浴が先のほうが望ましいとされています。まずはその理由を見ていきましょう。

胃腸への負担が軽減される

食事の後に入浴すると胃腸への負担が大きくなる可能性があるため、体のためには入浴が先のほうがよいとされています。かと言って、入浴後すぐに食事というのはおすすめできず、30分以上空けるのが理想です。入浴後は血行がよくなるため胃腸に十分な血液がない状態であり、その結果、消化不良を引き起こす可能性があるのです。

そう考えますと、温泉旅行に行ったときの入浴→休憩→食事という流れは、まさに理にかなっていると言えます。しかし毎日の生活では、外食が多かったり仕事で時間が取れなかったり、実際には思うような順番で済ますことができないのも現実です。何らかの理由で食事が先になってしまう場合には、食後1時間以上空けるように意識してみてください。

疲労回復の効果がある

食事後の体は副交感神経が優位になっている状態です。食後にウトウトしてしまうのはこのためです。逆に、リラックスしているように思える入浴時には上がった体温を下げるために心拍数が速まり、血液の循環が盛んになるため交感神経が優位に働いている状態です。

効率よく疲労回復するためには、交感神経の働きが活発になる入浴を先に済ませ、副交感神経が優位になる食事から、同じく副交感神経優位の睡眠に導くというサイクルが有効だと言えます。

ただし、入浴を先に済ませ、さらに1時間以上空けて食事をとるとなりますと、夜遅い時間になってしまうでしょう。その場合は、胃に負担がかからないようできるだけ消化のよい食事を心がけるようにしましょう。

入浴は朝と夜、どちらがよい?

入浴時間については、朝風呂派と夜風呂派に別れます。中には、夜はじっくり湯船に浸かり、朝はシャワーでさっぱりと目を覚ますなど、2回の入浴を心がけている方もいることでしょう。朝風呂と夜風呂のメリットやそれぞれの注意点について見ていきましょう。

朝風呂のメリットと注意点

朝風呂の最大のメリットは、頭をシャキッとさせ、さっぱりと目覚めることができるという点です。気分爽快に1日のスタートを切ることで、仕事や勉強などに対するやる気もアップします。

しかし、起き抜けにすぐ入浴すると体温の急変によって心臓などに負担がかかってしまいますので、新聞を読んだりお茶を飲んだりして、少し体を慣らしてから入浴するようにしましょう。特に入浴前の温かい緑茶は、カテキンの吸収率を高めることができるのでおすすめです。

夜風呂のメリットと注意点

夜風呂のメリットは、何よりも疲労回復とリラックス効果が得られることです。1日の疲れを癒し、翌日への活力をアップさせるには夜風呂がおすすめです。

しかし、夜風呂の場合は湯冷めをしやすいため、その結果風邪を引きやすくなるというデメリットもあります。また、朝は交感神経が優位になりますが、夜は副交感神経が優位になるため風邪に対する抵抗力が低下している状態でもあるのです。そのため、脱衣所や部屋を暖かくしてから入浴するなど、湯冷めをしないように対策をとる必要があります。

質のよい睡眠のための入浴方法とは?

睡眠と体温には深い関係があるため、体温を調節することで質のよい睡眠を得ることができます。そのためには、入浴するタイミングと湯温を意識することが重要になります。質のよい睡眠のための入浴について見ていきましょう。

入浴のタイミング

質のよい睡眠を得るためには、眠気がピークのときに就寝する必要があります。体の中心部の体温のことを「深部体温」と呼びますが、この深部体温が下がり始めるときが、もっとも眠くなるタイミングです。下がりすぎてしまうと眠気がなくなり目が冴えてしまうため、このタイミングを逃さないようにしなければなりません。

つまり、入浴によってしっかり深部体温が上がった後に、それが下がってくるタイミングで就寝するのがベストです。逆算しますと、就寝する1~2時間前の入浴が理想的ということになります。手足が少し温かくなってきた頃を目安にするとわかりやすいでしょう。2時間以上経ちますと、深部体温が下がりすぎてしまうので要注意です。

湯温は38~40℃で

湯温が41℃を超えると交感神経が活性化します。そのため、38~40℃のぬるめの温度を意識するようにしましょう。少し物足りないかもしれませんが、この湯温で10~15分入浴すれば十分深部体温を上げることができます。顔や額が汗ばむくらいを目安に、じっくりと温まってください。

まとめ

今回は、健康によい入浴のタイミングについてお伝えしました。食前か食後か、朝か夜かなど、それぞれのメリットを意識して、目的に合わせて入り分けてみてください。また、睡眠と入浴には深い関係があります。ちょっとしたポイントを押さえることで質のよい睡眠につながりますので、ぜひ試してみてください。