睡眠がもたらす働きとは? 良質な睡眠の重要性を解説

睡眠がもたらす働きとは? 良質な睡眠の重要性を解説
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最近どうも疲れやすい、ストレスを感じる、イライラしやすい、集中力が持続しないなどといった症状は、睡眠不足が主な原因である症状です。そこで今回は、睡眠から得られる働きや、睡眠不足による健康リスクについてお伝えします。良質な睡眠を得るためのポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

睡眠の働き

まずは、睡眠から得られる働きについて見ていきましょう。

疲労回復

睡眠の代表的な働きは、疲労回復です。睡眠中は、眠りの浅いレム睡眠と眠りの深いノンレム睡眠を繰り返しています。レム睡眠中には基本的に筋肉は動きませんが、脳は活動している状態で、夢を見るのはこのタイミングです。つまり、深い眠りのノンレム睡眠が多いほど体全体を休ませることができ、疲労回復につながるということになります。

また、寝入ってから2~3時間後に分泌される成長ホルモンによって体内の修復や回復が促されるため、疲れているという自覚症状がない部分に対しても働きがあります。睡眠は、疲労回復には欠かせないものなのです。

肌質の改善

しっかり寝た翌日は化粧ノリがよいと感じたことがある方は多いでしょう。お気付きの通り、睡眠中に分泌される成長ホルモンによって、皮膚や内臓の細胞を新しいものに入れ替わるターンオーバーが向上するため、肌質の改善の働きがあります。

記憶の定着

睡眠には、起きている間の体験を整理し、記憶として脳に定着させる働きがあります。具体的には、ノンレム睡眠で感情や事柄を整理し、レム睡眠で記憶として定着させているのです。そのため、まとまった時間の睡眠をとることは、記憶力を十分に生かすことにつながっていると言えるでしょう。

肥満防止

十分な睡眠をとりますと、エネルギー代謝を促進するホルモンが働くため太りにくい体質になることが期待できます。また、食欲を増進させるグレリンの分泌が少なくなり、食欲を抑制するレプチンが増加するというように、食欲をコントロールするホルモンを分泌させることで、余分なカロリー摂取を防ぐ働きもあります。

睡眠不足によるリスク

次に、睡眠不足によってどのようなリスクが発生するのか見ていきましょう。

抑うつ状態のリスク

しっかり睡眠がとれませんと、成長ホルモンが十分に分泌されないうちにコルチゾールの分泌が高くなります。コルチゾールとは、体内に蓄えた脂肪をエネルギーに変えるホルモンで、ストレスを受けた時に分泌が増えることから「ストレスホルモン」とも呼ばれています。通常は明け方になると分泌され、一日の活動リズムを整えるとされているホルモンです。この分泌が慢性的に高くなりますと、脳の海馬を委縮させて過剰な不安感に襲われるなど、抑うつ状態を発生させることがあります。

生活習慣病のリスク

睡眠不足は、自律神経のバランスを乱すだけでなく、体内のホルモン分泌に関わる内分泌系にも影響を及ぼします。ストレスから発生する糖質コルチコイドの過剰な分泌によって血糖値が上昇し、高血圧や高血糖が起こりやすくなり、進行すると糖尿病や心筋梗塞などの生活習慣病を発症するリスクも高まります。

良質な睡眠をとるための方法

では最後に、良質な睡眠をとるための方法について見ていきましょう。

寝る3時間前は食べない

食事後にすぐに寝てしまいますと、体は消化活動を優先します。そのため、内臓が休む時間が短くなり、眠りが浅くなったり疲れが抜けにくくなったりします。できるだけ寝る3時間前には食事を済ませるようにしましょう。

なお、夕食のメニューはタンパク質中心がおすすめです。体の修復材料や良質な睡眠に不可欠なセロトニンは、必須アミノ酸であるトリプトファンが脳内で分解されるものですが、残念ながらトリプトファンは体内で作ることができないため、食事から摂取しなければなりません。肉や魚、卵や乳製品など必須アミノ酸を多く含む良質なタンパク質を積極的に摂取しましょう。

温かい飲み物を飲む

温かい飲み物を飲んで体温を上昇させ、その体温が下がり始めるときに起きる自然な眠気を利用しますと、睡眠前のリズムを作ることができます。白湯や生姜湯など、ノンカフェインの飲み物を選ぶようにしましょう。

入浴はぬるめのお湯で

高温のお湯は体に負担が大きく、体を覚醒へと導くため、38℃くらいのぬるめのお湯に浸かってください。緊張を解消し、リラックス働きも期待できます。

生活サイクルを整える

特に休日に言えることですが、時間があるからといって2度寝、3度寝を繰り返してはいけません。休日の生活は、その後の平日のペースに大きく影響してきますので、できるだけサイクルを乱さないように気を付けましょう。

適度な運動

適度な運動は、自然な眠気から睡眠につなげることが期待できます。途中で目が覚めてしまうようなことも抑えられ、熟睡できるようになるでしょう。良質な睡眠が目標の場合、くれぐれもオーバートレーニングが原因で興奮状態にならないよう、適度な運動の範囲で抑えておいてください。

まとめ

今回は、睡眠がもたらす働きや睡眠不足によるリスクについてお伝えしました。時間だけにこだわらず、質を意識した睡眠を心がけてみてください。翌日のパフォーマンスの向上が期待できます。