毎日の入浴が疲労回復に作用することはご存じかと思いますが、温かいお風呂に入ることだけが体によいわけではありません。実は水風呂に入ることでも健康への作用が得られるのです。そこで今回は、水風呂の健康効果とはどのようなものか、また、より働きを高める水風呂の入り方や水風呂ならではの注意点についてお伝えします。体を冷やすので体によくないと思う方もぜひ最後までお読みください。
水風呂の健康への働きとは?
では、水風呂の健康への働きについて見ていきましょう。
免疫力アップ
水風呂に入りますと、なんとか体を温めようと活発に内臓が動き始め、免疫力が高まります。その結果、風邪を引きにくくなったり、アトピー性皮膚炎を改善したりという効果が期待できるのです。また、花粉症も改善されると言われています。
血流増加
お風呂やサウナなどで体を温めますと、毛細血管が開いて血流が増します。その後、水風呂に入ると体が冷えて毛細血管は一時的に収縮するのですが、水風呂からあがりますと、通常よりも体がポカポカと温かく感じます。これは、毛細血管を刺激することによって血流が増しているからです。
血流が増加することによって、疲労回復やデトックス効果だけでなくアンチエイジング作用も期待できます。その他、冷え性やむくみの改善にも有効とされています。
自律神経の乱れの改善
24時間働き続ける自律神経には、交感神経と副交感神経があります。体を温めると交感神経が活発になりますが、水風呂に入って体が冷えることで副交感神経が活発になります。つまり、温かいお風呂と水風呂を交互に繰り返しますと、交感神経と副交感神経が刺激されることになり、自律神経の乱れを整えられるのです。
冷房の効いた部屋で過ごす夏場は、特に自律神経が乱れがちです。また、過度なストレスが原因で自律神経が乱れることもあります。そうなりますと、体調を崩したり寝つきが悪くなったりなどさまざまなトラブルを引き起こします。これらを改善するためにも、水風呂を試してみる価値は大いにあるでしょう。
代謝アップ
ここまでにご紹介してきた血流の増加や自律神経の乱れの改善などによって、代謝アップも期待できます。そうなりますと、肌本来の力を引き出すことになるため、さまざまな肌トラブルの解消につながります。また、冷水で肌が引き締まりますので、毛穴の開きや皮膚のたるみにも直接的な働きがあります。つまり、若々しい肌を保つことができるというわけです。
そして、代謝がよくなれば脂肪が燃焼されやすくなり、ダイエットへの働きも期待できます。つまり、水風呂は健康だけでなく美容にもさまざまな作用があるということです。
水風呂の入り方
次に、基本的な水風呂の入り方を確認していきましょう。
交互浴で働きをあげる
まず、入浴前にはしっかり水分補給してください。そして、水風呂だけに入るのではなく、通常の温かいお風呂と水風呂を交互に繰り返す「交互浴」をすることで働きを上げるのがおすすめ。1~2分ずつを目安に何セットか繰り返し、最後が水風呂になるようにしてください。自宅で行う場合、浴槽とシャワーを上手に使うといいですね。
かけ水で流す
いきなり冷水を浴びると体への負担が大きくなりますので、かけ水をして体を慣らすようにします。その際は、プールに入る前と同じように心臓から遠い部分にからかけていきましょう。そして、まずは足、次に下半身、胸のあたり、肩までという具合に、ゆっくりと慣らしていってください。
水風呂のベストなタイミングと水温
入る時間帯にもベストなタイミングがあります。暑い日に涼をとることが目的であれば日中、新陳代謝を高めるのが目的であれば午前中がおすすめです。そして、寝つきが悪くなることがあるため夜の水風呂は避け、遅くとも夕方くらいまでに入るようにしてください。
理想の水温も目的別に異なりますが、ダイエットが目的であれば20℃前後、自律神経の乱れを改善したいなら17℃前後がよいでしょう。
水風呂に入る際の注意点
水風呂は、さまざまな健康に対して働きが得られるものではありますが、心臓や血管に負担がかかります。そのため、高齢者をはじめ心臓疾患のある方や高血圧の方は控えるようにしてください。どうしても水風呂に入りたいという場合には医師に相談するようにしましょう。
また、病気の直後や飲酒後などの水風呂も大変危険です。最悪の場合は、ヒートショックが原因で死亡事故につながることもありますので、自分は大丈夫と過信せずに体調に合わせるようにしてください。
まとめ
今回は、水風呂のさまざまな働きについてお伝えしました。健康にも美容にもさまざまな作用がありますので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。休日の日中に水風呂を楽しんで、1週間の疲れを癒すという入り方もおすすめです。ただし、くれぐれも体調に合わせて楽しむようにしてください。